すごく高額であったり人生における重要な問題に関わるコンサル型ビジネスにおいて、メルマガを活用した事前の情報提供による顧客教育は、売り込み感を薄めて、あなた自身やあなたの本業のレベル感を知ってもらうための重要な手段になります。
そこで今回は、最後まで読まれて読者をあなたのファンにさせるメルマガの書き方についてお伝えします。
目次
1.メルマガを配信する意義(なぜメルマガを書くのか)
1-1なぜメルマガを書くのか?
見込み顧客からあなたの商品やサービスを購入してもらおうと思えば、まずは、サービス提供者側がが見込み客に価値を届け、興味を惹きつけて関係構築に結びつける活動が必要です。先に価値を提供したり、価値を継続的に提供することで、見込み客も既存顧客も自然とあなたに対し興味を持ち、購買行動を起こすための関係性の構築ができるのです。
メルマガによって、あなたが見込み客・既存顧客に情報を提供し、情報に価値を感じた相手に、関係性を深めるような行動を促すきっかけを創出できるのです。
1-2 メルマガを利用する目的
1-2-1 教育・啓蒙ができる
1つ目は、教育や啓蒙です。自社の商品に興味を持ってもらうには、まずは自社に関する業界やトレンドを発信する必要があります。メルマガでそのような情報を定期的に届けることが教育や啓蒙活動の一環となります。
1-2-2 ファンの獲得
2つ目は、継続的なファンの獲得です。個人の志向に合わせた関連商品をメルマガから定期的に紹介していくことで、自社への関心を集め続けて継続的なファンを作ることができます。
1-2-3 商品・サービスの販売促進
3つ目は、メルマガを通じてウェブサイトへの流入が図れます。読者に読んでもらいたいWebコンテンツや、新商品を紹介する記事への遷移を促したり、ウェビナーやセミナーの参加者を増やしたりできます。
メルマガをうまく活用すれば、上記のような目的を達成することができます。ただ「情報発信」をするだけのツールとして利用するのではなく、メルマガを配信することで何を達成したいのか、「目的」を明確化させることがメルマガの効果を高めることにもつながります。
2.メルマガの基本構成
メルマガの基本構成は、件名、ヘッダー、リード、本文、フッター、この5つのパーツから成り立っています。まずはこの5つのパーツについて解説します。
参考例として自分のFPメルマガを紹介。だけど今は、リード(BGM&編集後記フリ)&本文&編集後記&フッター
メルマガの基本構成は、件名、ヘッダー、リード、本文、フッター、この5つのパーツから成り立っています。まずはこの5つのパーツについて解説します。
2-1 件名
メルマガにとって一番重要なのがこの件名です。あなたがどんなに配信したとしても開封されなくては全く意味がありません。あなたの読者の受信ボックスには日々大量のメールが届いていることでしょう。その中から選ばれてあなたのメルマガを読んでもらおうと思えば、この件名を工夫することが効果的なのです。メルマガの件名は、読者を行動させるためのキャッチコピーと似ています。
そこで、ここでは、世界的な企業家 マイケル・マスターソンが提唱した「4U」の原則というものがあり、メルマガに限らずマーケティング手法としてよく知られていますので、ここで紹介しておきます。
2-1-1 有益性(Useful)
メルマガの件名で読者に利益(ベネフィット)であったり、負担を軽くする便益(メリット)をアピールできているでしょうか。メルマガを読む事でどんな役立つ情報を手にすることができるのか、メルマガにどんな情報が掲載されているのかを件名できちんとアピールしていきましょう。
例えば、「ゼロから始める」、「たった3日でできる」、「完全無料」、「BtoBで37名セミナー集客できた方法とは」、「FAX反応率を2.5倍に高めた方法」など。
あなたの本業のレベル感が伝わるのでメルマガの件名として重要な表現だと言えるでしょう。
2-1-2 緊急性(Urgent)
人を行動へと促す効果的な方法の1つが「締切りを作る」ということです。「今だけ」「期間限定」「○○時まで」「○人限定」など、時間的な緊急性をアピールできているか考えてみましょう。
例えば、「先着10名プレゼント」「受付30人限定、特別セミナー」、「締切ります!本日24時終了」など。
コンサル型ビジネスならセミナーへの集客や個別セッションなどの告知に活用しやすい表現と言えます。
2-1-3 超具体性(Ultra specific)
「大成功した」とか「バンバン集客できる」のような抽象的な表現や、または「誰でもできる」のような万人を対象にした件名は、インパクトが弱まります。そこで件名に数字や対象などの具体的な要素が入っているかを確認してみましょう。
例えば、
「40代で年収1500万円を突破した!」、「正解率3%の問題だけ集めました」、「FB広告費10万円で200リストを集めた方法」、「修了率5%のオンライン講座の共通点」など。
件名を具体的にすることで対象が明確になり開封率が高まります。
2-1-4 独自性(Unique)
日本語で「ユニーク」というと「面白い」といった意味で使われがちですが、ここでは本来の英語の意味での「唯一」「個性的」「独特」といったニュアンスで使います。オリジナルなネーミングや他では聞けない体験談など目新しさや好奇心を刺激します。
「泥棒ポスティングで3倍効果があった!」、「報告、本当にエストニアでは税理士が絶滅したのか」「100万円をドブに捨てました」、「お客に振り回されてキツイです」など。
少し発展編になりますが、好奇心は相手が知りたいと思うことなので、実はポジティブな内容だけじゃなく、「人の不幸は蜜の味」と言われるように、時には失敗や弱音などネガティブな件名も開封率を高めるのに有効ですが、やり過ぎには注意しましょう。
2-1-5 件名の文字数にも注意しよう!
気をつけないと色々な要素を盛り込もうとして、ついつい件名が長くなってしまいがちです。あなたの読者の受信ボックスにある大量のメールに埋もれてしまわないためには、「直感的にパッと見て分かる」必要があります。
件名が長すぎると読者が要点を理解できずに開封率を下げてしまう要因になります。そこで、今、多くの人がスマートフォンでメールを確認することを考えると、表示されている件名の文字数は20文字以下でしょうから、冒頭の15文字程度で伝えたいキーワードや文言を表示できると良いでしょう。
2-2 ヘッダー
メルマガを開いたときのファーストビューになります。会社名やメルマガ名やPRなどを、記号などで囲んで装飾する場合が多いです。毎回同じヘッダーを使用することによって、同じ配信元から届いていることが分かり、読者への印象も残りやすくなります。
ただし、最近の傾向としては、形式的な体裁であるよりも、よりパーソナルにコミュニケーションをするような体裁が好まれるために、ヘッダーを省略しているメルマガも多く見られます。また時間のない読者にとっても形式的なヘッダーがなければスクロールする手間も省けるので、ストレスなく読み進められるのかもしれません。
2-3 リード文
すぐに本題に入らず、アイスブレークを入れましょう。季節の話、時事ネタなどでもいいし、あなたのキャラクターが伝わるようなちょっとしたプライベートな話を入れてもいいでしょう。ちなみに僕のメルマガは、「本日のBGM」と編集後記へのフリを一言だけリード文として使うだけで、すぐに本文へと入っていきます。
また読者の名前を挿入して疑似的に個別メールの体裁を取ることで特別感や親しみを増してもらうための演出をする場合もあります。メルマガ配信ツールを使用すると、一斉配信のメルマガでありながら、読者ごとにメルマガ内に名前を差し込むことが可能なため、非常に便利です。
ただし、名前の挿入が日常的になると、特別感は薄まり、本当に個別に送ったメールであってもメルマガだと誤認されて読み飛ばされる可能性もあるので、名前の挿入はそのような可能性もあることを考慮して使ってください。
2-4 本文
この本文がメインコンテンツになります。1回のメルマガに対して一つのテーマに絞って本文を作成することを推奨します。1つに絞ることで情報が分散されずにまとまるので、読者のメルマガ内容に対する理解度が高まるし、時間がない読者にとってもあまりに長いメルマガは最後まで読みづらくなりますから、最適な長さを模索してみましょう。
また相手に先に価値を届け、興味を惹きつけて判断基準や信頼関係を構築するという思想が顧客教育(エデュケーショナルセールス)ですから、読者に役立つあなたの本業の話やあなたのキャラクターが伝わる内容をコンテンツとして考えていきましょう。
2-5 編集後記
編集後記とは、編集者が記す「あとがき」のことです。しかし、この「あとがき」があなたのメルマガの魅力をさらに増すことに役立つのです。読者に有益な情報を提供するのが本文の役割ですが、編集後記はあなたの「人間らしさ」「キャラクター」を伝えることができる重要な役割があります。それにより、読者はあなたに親近感を感じ、繋がりが強まるのです。
編集後記に書かれる内容としては、本文の裏話的な話、追加情報や強調しておきたいこと、編集者の感想、また本文とは直接関係がなくても編集者の近況やプライベートな話など。
編集後記をうまく使うことで、あなたの個人的な魅力が伝わります。読者の中には、「忙しくて本文は読めなくても、編集後記だけは毎回楽しみに読んでいます」って言ってくれる人も現れるほど編集後記はメルマガを魅力的にする重要なパーツです。
2-6 フッター
メルマガ配信者のホームページや連絡先、メルマガの配信停止方法などを書いておきましょう。ヘッダーと同様にフッターも毎回同じものを入れておいていいでしょう。
なぜこれらの内容を入れておくかというと、メルマガに営業上のサービスや商品の情報を「広告または宣伝」する内容や、それらの情報が記載されている「ウェブページへ誘導」する内容が含まれている場合は、そのメルマガは特定電子メール法の適用対象となるためです。
特定電子メール法では、「送信者の表示義務」として、次の項目を表示することが義務付けられています。
送信者の氏名または名称
受信拒否(配信解除)ができる旨の通知
送信者の住所
苦情や問い合わせの受付先
3.形式を決める
3-1:誰に書くのか
最後まで読んでもらえるような魅力的なメルマガを書くなら、理想の読者像を明確に設定して書くといいでしょう。興味があると思われる読者のみに配信することが大切です。ターゲティング分けには、例えば、年齢、男女、家族構成、職業、収入、地域などの基本データの他に、趣味嗜好や購入履歴などもあります。ターゲティングすることによって、読者から求められる情報を提供できるようになり、解除率は下がり、メルマガの精読率が上がります
3-2:頻度とタイミング
いつ、どの程度の頻度でメルマガを配信するかを決めます。毎日1回、週に2回、月に1回、不定期配信などを決めましょう。それに合わせて、配信する曜日や時間帯も考えます。通勤時間や昼食時、業務終了後や夜間など。一般的には頻度が高まるほど売上げアップに繋がりますが、同時に配信頻度が高まるほど、配信解除する読者も増えることになります。
ただし頻度も、メルマガを書くことに慣れていないうちは、不定期配信ではなく、仕組み化や習慣化させるためにも定期配信がいいでしょう。また不定期配信だと継続的な配信ができず、読者と関係性の構築ができなかったり、また継続的に配信がなければ、読者すぐにメルマガ(あなた自身)の存在を忘れてしまい、メルマガの配信解除につながってしまうからです。なので、読者に読み続けてもらいやすい頻度やタイミングを実践しながら見つけていきましょう。
3-3:文字量と改行
3-3-1 文字量
一回のメルマガの文字量は何文字が最適なんでしょうか。これには正解はありません。頻度高く毎日のように配信されるメルマガなら、接触頻度も高まりますから、1通あたりの文字量は少なくとも、回数送ることができますから、短くても十分情報を提供できますし、一方反対に、月1回の配信なら、その1回で十分な情報を提供しようと思うので、1通あたりの文字量は多くなるかもしれません。
ただ、今や読者の多くは移動中やスキマ時間を活用してスマホでメルマガをチェックしていることが想定できますので、気軽に読めないメルマガや分量の多いメルマガは、最後まで読まれずに途中で閉じられてしまいがちです。
ちなみに、読者が疲れずストレスなく読めるギリギリの分量は800~1,000文字程度と言われていますが、僕のメルマガは週2回程度の配信で1,500文字程度の本文になっています。
3-3-2 改行
全体的な見やすさを意識して、メルマガを作成する際は、改行や余白を効果的に入れる工夫をします。想像してみてください、改行や余白が一切なく文字で埋め尽くされたメルマガを。そんなメルマガが届いたら、きっとそれだけで読者はメールを閉じてしまうでしょう。
改行・余白を意識するだけで、同じ内容のメルマガでも読みやすさが格段に向上します。改行する時のポイントは、画面に綺麗に収めることを意識しましょう。
多くの人がスマホでメルマガを読んでいることを想定すると、PC画面よりもスマホの方が1行あたりに表示できる文字数が少なくなりますので、スマホの表示数に合わせて改行します。
スマホの場合は、1行あたりに表示できる文字数は横15文字程度ですから、1つの文章であっても15文字以内で意味の切れるところで改行します。
15文字以内というのは、単に画面に収まりがいいだけではなく、人間が一目で意味を理解できる文字量でもありますから、その意味でもメルマガが読みやすくなるでしょう。1文が長い場合は2~3行程度で改行し、読みやすく体裁を整えたり、長い文章は1つの文ではなく、いくつかの簡潔な文章に分けて読みやすいメルマガにする工夫をします。
4-4:文体
メルマガの効果は、お役立ち情報を伝えたり商品サービスを宣伝できることだけじゃありません。「あなた自身」が伝えられることも、メルマガの大きな効果です。実際に読まれるメルマガは書き手の人柄がにじみ出ているものが多いです。
人柄を伝えるいっても難しく考える必要はありません。基本的には、日ごろあなたが話しているような言葉、もしくは友人に向けて書くときに使う言葉や文体をそのまま用いるのがよいでしょう。必要以上に堅苦しくする必要はありません。
話し言葉で書くことで感情も入りやすく、あなたらしい言い回しなど、文章に個性が反映され、読んでいて楽しくなります。そのためにも、不特定多数の人に呼び掛けるのではなく、まるで1人の理想のお客さまを目の前にして話しかけているように書いてみましょう。
個性を出した文体にすることで、読者との間に共感が生み出されてて、あなたとの繋がりを強めてくれるのです。そのようなメルマガなら、実際に読者と会った時には、「初めて会った感じがしないです。」って言ってもらえることでしょう。
5.ネタの探し方
メルマガを始める時に不安に思うことの1つがすぐにネタ切れして継続的に配信できないんじゃないかということです。でも、実はメルマガのネタは無数にあるんです。まだあなたにはその切り口が見えていないだけかもしれません。ネタの探し方を知っていれば安心です。
5-1:ビジネスのことなら
まずは自分の体験からネタを見つけることができるでしょう。例えば、自分自身が仕事で培ったノウハウ・仕事の経験談・お客さんからの質問などヒントになってネタが見つかることでしょう。しかし、メルマガのネタを常に自分のオリジナルで書こうとすれば、もちろん自分の経験には限りがありませんから、継続し続けることは難しいことでしょう。
そこで、実際には、多くのメルマガ執筆者たちは、色々なものに触発されてメルマガを書いています。例えば、本を読んで・他の人のブログやYouTubeでなどのSNSを参考にして、セミナーに参加して・ニュースに関連して・自分自身の活動報告などなどです。ただし、様々なものに触発されることは素晴らしいことですが、そのままコピペするようなことはルール違反ですので、出典を明らかにしたり、ご自身の体験を加えるなりしてメルマガを書きましょう。
5-2:プライベートのことなら
メルマガは読者との関係性を構築して繋がりを強めるツールですから、書く内容はあなたの人柄が伝わるようなプライベートな内容もまた魅力的なネタになります。そこでプライベートなことなら、家族のこと、旅行したこと、食べたもの、映画や劇、本や音楽、スポーツ、お稽古、趣味、ハプニングなどから触発されてメルマガのネタが見つかることでしょう。その際には、そこから得られた教訓やあなたらしいユニークな感想を添えて書ければ、ユニークなメルマガになり、きっと読者もあなたのファンになることでしょう。
5-3:アンテナを立てる
実はネタは無限にあると言ったのはこの部分で、あなたに伝えたい想いがあれば、ネタは色々なところから降ってきます。そのためには伝えたい想いや価値を明確にしておく必要がありますが、その明確にすることを「アンテナを立てる」と僕は呼んでまして、アンテナが立つと色々なものがネタとしてのアイデアに見えてきます。
例えば、僕が伝えたい想いや価値の1つに「可能性」というキーワードがあります。そのために、ある時イモムシを見てこれが蝶になるんだって思った時にハッとしたんです。イモムシが蝶になることを信じられるって凄い能力だって。これって人や組織の成長に関わる人なら、現状の姿に関係なく立派に成長した姿を信じられて相手と関われるわけだから。この可能性を信じられる能力こそ人や組織の成長をサポートする人に欠かせない重要な資質なのかもって。
他の人が見ても何でもないただのイモムシがいるだけの風景でも僕にはメルマガのネタのアイデアとして映るんです。これは探したという感覚ではなくて、まさに降ってきたという感覚です。だから、ネタはあなたの周りに無限にあるんです。まずはアンテナを立てましょう。
6.最後に~上達するために~
メルマガ上達への秘訣は、「書く」「読む」「真似る」です。次は是非手を動かしてみましょう。今日のことを踏まえてメルマガを配信したら、上達するための方法は、「書く」ってことです。書くことであなたのメルマガは魅力的になっていきます。継続して書くことで、どんなネタが反応があるのか、どんな表現が伝わりやすいのかを理解することができるでしょう。
そのために、他の人のメルマガも是非読んで勉強してみましょう。メルマガのネタや構成や言い回しなど、ヒントになることが沢山あるはずです。そして、いいものはどんどんマネして(パクリはダメですけど)吸収してください。そして、吸収しようと思えば、やっぱり書かないとダメなんですよね。
さらにメルマガを魅力的にしたい人は、読まれるメルマガの書き方【実践編】も合わせて読んでみてください。